同志社大学商学部 高橋広行 研究室

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『BtoBマーケティング』余田拓郎先生

東洋経済新報社よりご出版されました余田拓郎先生の新著,『B to Bマーケティング:日本企業のための成長シナリオ』を賜りました。

過去の実務経験を思い起こしながら楽しく読ませて頂きました。問題解決型の購買意思決定プロセスにおける(成分)ブランドの重要性,また,関係性パラダイムに関しても勉強させて頂きました。

市場成熟化の環境に置いて,B to Cよりも,戦略的一貫性を高めるマネジリアル・マーケティングの利点はB to Bにあることを実感した次第です。

面白かったのは,日本の製造企業は,競合他社との差別化を図るために徹底して顧客にカスタマイズしがち(P.41)であるという点,B to C企業の多くはB to Bもやっており,PLCサイクルの中でターゲットを拡大する場合,B to B,B to Cのだれをそのターゲットにするのかを検討することの重要性(P.50),経営の国際化に伴う,スピード化する経営の中で,購買の意思決定も現場に依存される場合,B to Bの領域に置いてもブランドの役割(重要性)が高まっている点で,ELMの周辺ルート(感情的信頼)で効果があるなど,色々な面で視野が広がった。